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珈琲はうす あんず村 公式ウェブサイト
渡邉 富岳より
皆様にごあいさつ
ページをご覧いただき、ありがとうございます。
あんず村の40年の歴史には、人々が語り合う中で成長していった、数多くのストーリーがあると、オーナーの石出さんはお話してくれました。
「杏壇」(きょうだん)とは、中国の孔子の講壇の周りに、杏の木があったことから、転じて「学問をする場所」という意味があります。
展示中の作品に書いた、杏壇の語が出る王維の詩では、様々な田園の情景を、色彩豊かに歌っています。
今後もここ杏壇(あんず村)から、新たな物語が生まれていくことを想像するだけで、とても素敵な気持ちになります。展示中の作品は、そんな未来に想いを馳せ、制作いたしました。
2020年10月 石出さんからお弁当の新ブランドロゴ制作のご依頼をいただきました。
「あんず村」の平仮名の「あんず」を、漢字の「杏」にし、私の専門でもある篆書(てんしょ)での表現を提案したところ、大変喜んで頂きました。
はじめは、長い歴史と、とても趣のある店内に私の文字が入ることには、畏れ多い気持ちでしたが、お店の雰囲気にマッチするよう試行錯誤し、最終的に、金紙に黒縁の額で仕上げました。
展示期間中は、「杏」に加え約40点、店内中飾っております。
私にとって室内で行う初の個展であり、大変貴重な機会をいただきました。
今年1月に、栃木県佐野市で行った屋外初の個展「書と住む町展」のテーマでもありましたが、私は日頃より「書をより生活の身近なものに」という気持ちを持っております。
今回の展示では、普段のように、あんず村の美味しいお食事やお飲み物を味わいながら、
「楽しみながら観るインテリアの書」として、作品をご覧頂ければと思います。
壁面以外の作品は、お手に取ってご覧いただけます。
2021年、まだまだ激動の時代は続いておりますが、書のもつエネルギーを感じて頂き、私が書に込めた、未来に向けたメッセージを感じとって頂ければ幸いです。
オーナーの石出さんには、2020年11月に私が理研で揮毫した10m巨大「富岳」動画の資金援助、更には墨継ぎ補助をしていただくなど、全面的にサポートして頂きました。
ほかにも、その動画スタッフに1月の栃木県佐野市での展示にも協力して頂くなど、今回の「杏」制作をきっかけに、様々な交流が広まっています。
石出さんの行動力と情熱の凄まじさには、日々驚かされるばかりです。
最後に、あんず村オーナー石出様、お母様、あんず村のスタッフの皆様、オリジナルデザートを作ってくださった吉祥 仁さま。
今回の展示に関わってくれた皆さまに、心から感謝申し上げます。
2021年2月 渡邉富岳